今日の一着:Court suit(1750–75),フランス
今日の一着は、昨日のと同じ18世紀中盤のフランスの男性用スーツです。
リンク先に細部の追加画像があるのでそちらも合わせて見ると
刺繍がすんごい
です。
あやしく青色に光るムーンストーンのような石が散りばめられています、というかむしろそれで模様が描かれていて、さらによくみると石一個一個を金糸で囲っていたように見えます。
今見ても十分すごいですが、作られた当時はもっとピカピカに光り輝いていたんでしょうね。
黒のベルベット地に金糸、ほの青い石の輝き…目の前に存在したら、まるでこの世のものではないような凄みというか、どこかに連れて行かれそうな気分になりそうです。
そういう意味ですごく色気のある服だと思います。
“Court suit” by French via The Metropolitan Museum of Art is licensed underCC0 1.0
ここまでしちゃうと服というか一種のマジックアイテムですよね!
あと、こういう昔の服を見る時にちょっと思うのは、
昔の人は多分今よりも全然暗い環境でものを見ていたのではないか?ということです。
照明といえばろうそくぐらいしかない、薄暗い部屋の中で、
揺れるろうそくの炎に照らされてベルベットのぬめっとしたツヤが、金糸銀糸が輝いていたのでしょう。
多分、今普通に写真で見たり、ライトに照らされた実物を見るよりも、
きっとドラマチックに見えたでしょうね。
とここまで書いて思いましたが、
ろうそくとかLEDとかの限られた光でドールを見る会とかあったらいいですね!
気分はマリアの心臓というか、きっと普段見ているのとは違う表情を見せてくれそうな気がします。
ただし、写真にはまったく期待し無いほうがよさそうですが……人間の網膜は優秀です。